まほらnet勉強会Vol.2「この町で暮らす」


 2026年2月11日
 まほらnet勉強会Vol.2を奈良産業会館で開催しました。
 今回は映画『道草』(2018年)<監督:宍戸大裕>を共通の話題に、私たちが描く「地域」について考えてみる時間を設けました。映画は、それぞれクセ?のある主人公たちが、支援者と共に笑いや葛藤の中で地域生活を営む様子が映し出されていました。映画の後のグループワークでは、映画の感想や参加者が描く「地域」について意見交換を行い、これから自分たちが何を考え、何ができるのかを考えるきっかけを探しました。一言で「地域」と言っても、人それぞれに思い描くものが違い、また捉えにくいものですが、それを言語化することで共通点が見つかると思います。そして、一歩ずつでも「誰もがその人らしく暮らせる地域」に近づくことができればと思います。  山岡 亨

映画「道草」公式サイト → https://michikusa-movie.com

~参加された方の声~

まほらnet勉強会に参加して思ったこと、考えたこと。
 私が勉強会に参加させていただいたのは、日々の相談業務が「仕事」になっていることも多く、まほらnetに参加されている皆さんに会って、お話をしたかったのも理由でした。本当にいい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございます。
 道草を観て思ったことは、「あの町が、彼らを含んだ生活の場として存在している」ということでした。施設の中だけで完結するのではなく、買い物に行く、道を歩く、近所の人とすれ違う、そうした何気ない生活が、「ここで暮らす」ということだと、羨ましくもあり、倣いたいと刺激を受けました。
戸惑いや距離感、不安もあるけど、排除せず、急かさず、時間を共有する余白があり、「支援があるから暮らせる」のではなく、許容の幅が暮らしを可能にしているのだと感じさせられました。
自分の暮らす町はどうだろうか。予測できない行動や、効率から外れた時間を、受け止める余裕はあるのだろうか。自分自身が誰かにとって「待ってもらえない存在」になったときに、この町で暮らしていけるのだろうかと不安にもなりました。
この町で暮らす、ということは、支援が整っているかどうかだけでは決まらないと思います。寄り道に付き合う
人がいるか、立ち止まったときに急かされないか。そう考えると、「すぐに答えを出さない選択を守る人」と少し格好をつけましたが、そんな人になりたい。
「施設か地域か」2択にしない。本人にとっての安心がどこにあるのかを、何度も問い直すことが必要ではない
か。「地域=正解」「施設=失敗」にせず、グレーを保つことも大切なのではと思います。
 グループワークの中で、暮らしは「支援」だけでは成立しないという話をしてくださった方がいました。重度の知的障害や自閉症のある方が地域で暮らすために必要なのは、支援制度そのものよりも支援が届かないところなのかも。周囲が少し困る行動を、「問題」にしてしまうとうまくいかなくなる経験が私にもあります。問題を減らすよりも、問題を抱えたままでも続けられることが大切なのでは。
相談員として「私たちに何ができるか」と考えてもなかなか答えが出ませんでした。すぐに結論を出さない、「難しい」という言葉も許してもらいたい。本人より先に周りを説得しすぎない。地域で暮らすための環境を整えるというより、地域が揺れたり動いたりすることを一緒に受け止めていきたい。
逆に、「できること」より「やめること」も大事かなと思っています。先回りしすぎること、説明しすぎること、理解される形に整えすぎること、少しだけやめてもいいのではないでしょうか?私たちが全部やらなくてもいいと確認することも「暮らしていけるかもしれない」という、控えめだけど現実的な希望をもって関わっていきたいと思います。
いろいろやりたい、頑張りたいと言葉にしてしまいましたが、皆様どうぞ「難しい」を許してください。
   障害者生活支援センターりんく 羽根 恵美

――映画から学ぶ「その人らしさ」と、相談支援専門員の役割――
 2月11日の勉強会では、趣向を変えて映画鑑賞会が開催されました。
上映後はグループに分かれ、作品の感想や近況についての情報交換を行いました。
 映画を通じて強く感じたのは、利用者一人ひとりに寄り添った支援や日常生活の尊さです。私たち相談支援専門員は、ご本人やご家族様のお話を伺う機会は多いものの、直接的なケアに介入する場面は限られています。実際の支援現場で何が起きているのか、その断片に触れることで、改めて現場の声を掬い上げ、地域へと繋いでいく「地域づくり」の重要性を痛感しました。
 グループディスカッションでは、相談員ならではの視点で「24 時間体制の支援スキーム」や「具体的なサービス利用のあり方」について活発な議論が交わされました。
最終的には「障がいのある方の居住の場」という困難な課題にも及び、地域での「共生社会」の実現に向けた取り組みの必要性を、チーム全体で再認識する貴重な時間となりました。
   バルツァ・ゴーデル 平井 賢治


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